華奢な優しい印象です

今つけている腕時計が私のところにやって来たのは、かれこれ28年前のちょうど春先のことです。

就職を控えて、学生時代の黒皮のバンドの時計とお別れして、大人っぽいモノを探していました。

ちょうど隣街のショップの閉店セールがあったので、足を運びました。

まだ収入のない身で、予算は1万円でした。

なので、悩んで長い時間選んでいたら、お店の女性店員さんがオススメしてくれたのが、今の腕時計なのです。

リューズに黒のオニキスで、全体はシルバーだけれど、1つ1つのパーツが柔らか味を帯びて、華奢な優しい印象です。

黒い文字盤に、ホワイトゴールドの点が12個輝いていました。

かなりの値引き品でしたが、一目でこれに決めました。

以来、私と共に時代を刻み、子育て繁忙期には、イタズラ防止にはずして鞄に入れていて、よく行方不明になったりもしました。

もうなくなってしまったかと諦めて、安い10気圧防水の時計を買って使っていました。

すると、ひょっこりカバンの奥から出てきて、存在感をアピールしてきます。

そんなことが何度かあった、かくれんぼの好きな(?)腕時計でした。

その腕時計が、電池を替えて1年も経たないのに、先日、突然止まってしまいました。

購入してから今までの間、私の記憶に依れば3回電池を替えた中で、こんなに早く止まったことはありませんでした。

文字盤のガラスが少し浮き上がったようになって、修理してもらったのが1年前で、気温差で文字盤がくもるようになってきていました。

もしかしたら、毎日使っている紫外線予防のUVクリームの液体が、腕時計の隙間から入ってしまったのかも知れません。

そう思って、最近は飲むタイプの日焼け止めに替えたばかりです。

近いうちに時計店でみてもらおうかと思う半面、「もう使えませんよ。」ということばを、少し恐れている自分も正直います。

使い慣れて、もう私の一部のような腕時計が壊れてしまうと、これも寿命なのかと少し寂しい気分です。